Victorの発明「ウッドコーン」搭載ミニコンポ『EX-D7』買取致しました

2024年2月23日 2024年3月11日

ハードオフグループ札幌出張買取センター

スピーカーの音質を構成するパーツの一つであり、色や素材によって見た目にも変化を及ぼすコーン（振動板）。その素材は紙の他、アルミやポリプロピレンなどの合成素材が用いられる事が一般的ではありますが、Victor（現：JVCケンウッド）が00年代に新技術として発表した「木」を素材とする“ウッドコーンスピーカー”を搭載したミニコンポ『EX-D7』を買取させて頂きました。2003年から始まったウッドコーンシリーズにおいて2021年に通信販売限定モデルとして発売された『EX-D7』は、2020年発売のミニコンポ『EX-D6』と基本的な仕様は共通しているものの、カラーリングにはダークブラウンを採用し、CD BOX「JAZZで聴く」シリーズ（J-POP/クラシック）から音源160曲(CD15枚分)を内蔵したモデルとなっています。

1 Victorが開発したフルレンジのウッドコーンスピーカーとは
2 ピンチを救ったのは「スルメと日本酒」
3 木材はコーン紙として最適な素材
4 通信販売モデルも買取しております！

Victorが開発したフルレンジのウッドコーンスピーカーとは

“スピーカーは楽器でありたい”という発想から1970年代に開発へと着手されたVictorのウッドコーンスピーカーですが、割れやすい木材を振動板に採用する技術の実現は難しく、発案から実用化に至るまでに20余年の歳月を要したと言います。開発当初は扇形の薄い木のシートを貼り合わせて円柱状にしたものから試作がスタートするも、それから後十数年に渡ってその開発に進展はなかったといいます。しかし90年代に入り状況は一変、これまでの木のシートを貼り合わせる手法から、プレス成型方式に変更するという発想の転換で開発が再開。開発当初は薄く切りだした木がプレス工程に耐え切れず、割れや変形が多発するといった事態に直面していたものの、日本文化のとあるアイデアがその状況を救ったそうです。

ピンチを救ったのは「スルメと日本酒」

居酒屋に訪れたVictorの開発者は、そこで耳にした「スルメは日本酒に一晩浸すと柔らかくなる」といった話に着目し、木を日本酒に浸してチャレンジ。すると成型しても割れないことがわかり、5年後に成型工程を確立。2003年に量産化技術として世界初となるウッドコーンスピーカーを採用したセパレート型コンポ「EX-A1」を発売しました。その後もウッドコーンスピーカーを搭載したコンポシリーズは、iPhone Docを搭載したモデルやハイレゾモデルなど、時代に合わせて様々な機種が展開されており、同社公式サイトの特設ページではその変遷を辿ることが可能です。

木材はコーン紙として最適な素材

それではコーン紙として取り扱いが難しい木材を採用するメリットはどのようなものなのでしょうか。主にスピーカーの振動板において重要な要素として言われているのが、原音の忠実性に関わる音の立ち上がりの速度に起因する性質の「伝搬速度」と、不要な残響や共鳴音を抑える性質の「内部損失」の大きさです。伝搬速度が速く内部損失が小さい素材は主にチタンやアルミなどの金属で、反対に伝搬速度が遅く内部損失が大きい素材は紙などの繊維系素材が挙げられ、互いに相反する性質でありながら、適度なバランスである事がコーンには求められます。理想的とされる「伝搬速度が速く内部損失が大きい」といった条件を満たしたものであっても、コーンが合成素材など素材が均一の場合、定在波（共鳴によって音が歪む）が発生しやすく、一説には音質の阻害要因になるといった問題点があるとも言われています。その様な問題点に対し、天然素材の木材は伝搬速度が高く内部損失が大きいといった理想とされる特性に近い要素を持っており、Victorが研究の末に辿り着いた無垢のカバ材は軽量で剛性が高く、優れた解像度と歯切れのよいサウンドが再現できると伝えています。このようにコーン紙の必要とされる特性を満たす素材として木材はとても優れているものの、繊細な素材でもあることから、大きなサイズのユニットの実現は技術的には難しいといった弱点もあるようです。

通信販売モデルも買取しております！

Victorの研究の末の結晶とも言えるウッドコーンスピーカー。木目のデザインはインテリアとも調和し易いと言えるのではないでしょうか。店頭で見掛けた際にはコーン紙に注目してご覧になってみてはいかがでしょうか。ハードオフでは通販限定で販売された製品なども買取を行っております！ご不要になったお品物がございましたらハードオフグループ札幌出張買取センターまでお気軽にお問い合わせください。札幌/北広島/恵庭/千歳地区にお住まいの方を対象に出張買取を実施しております、事前に査定金額が分かるLINE査定も行っておりますので、ご都合に合わせてご利用ください。