レコードの見本盤やプロモ盤はなぜ人気?その理由とは

新旧様々な製品を取り扱うハードオフではオーディオや楽器、ジャンク品などと共にお店に専用のコーナーを設けている「アナログレコード」。近年ではハードオフだけではなく、2016年から取扱いを開始した「BOOKOFF SUPER BAZAAR町田中央通り店」を皮切りに、2020年4月から全国のブックオフでもレコードの取扱いが拡大するなど、復権を果たした音楽メディアの一つですが、中古ショップで購入したレコードや、お店の売り場に陳列されているレコードに「見本盤」や「For Promotion Only」等といった表記の記載を見かけた事がある方も多いかと思います。CDやDVDなどでもプロモーション目的として存在するいわゆる「非売品」にあたるこの「見本盤」ですが、レコードに関してはその見本盤が一般流通盤と比較して市場価格が高い傾向にあるのをご存じでしょうか。本稿ではそんな見本盤レコードが持つ魅力とその理由に迫ります。


見本盤レコードに付加価値が付く理由

見本盤は主にラジオ局、テレビ局などの放送局や、音楽評論家に向けて送られるレコードの1種であり、一般流通盤のリリースに先立って生産された盤となります。この見本盤と一般流通盤の市場価格において差異が生じる理由の一つとしては、限られた生産数の為出回る数が少ない点や、さらに最初期にプレスされた盤のため音質が良いと言われている点もその理由となります。また見本盤がより高額化するケースとして、見本盤のみの収録曲がある場合や、一般流通盤では存在しないモノラル/モノラルミックス収録がある場合など、音質以外の付加価値が高い場合はより高額な価格で取引される傾向にあります。

見本盤レコードの見分け方

見本盤は白色のレーベルを採用する場合が多く、レーベル部分には「見本盤」や「非売品」「For Promotion Only」「SAMPLE」「DJ COPY」等の記載で見分ける事が可能です。一部Deccaなどのレコード会社では、白色のレーベルを採用する以前の1950年代に、ピンク色のレーベルを採用していた事でも知られています。また単に一般流通盤のジャケットやレーベルには、ゴム印による表記の押印や、ステッカーの貼り付けなどが行われることがあります。しかし、こうした処理が施された場合、通常の見本盤ほどの付加価値は生じないことが一般的です。

一般流通盤と見本盤の価格差

それでは実際にオークションの落札価格を参考に、見本盤との価格差の一例を見ていきましょう。人気が高く希少なアルバムの見本盤に関しては、2倍以上の価格差が広がる事も珍しくありません。

見本盤価格の一例

角松敏生『After 5 Clash』
1984年発売 型番:RAL-8812
一般流通盤:落札金額 約6,000~10,000円
見本盤:落札金額 25,000円前後

David Bowie 『Aladdin Sane』
1984年発売 型番:RCA-6100

一般流通盤:落札金額 約2,000~3,000円
見本盤:落札金額 約5,000~10,000円
特別テスト盤:落札金額 約10万~15万円

The Rolling Stones 『Sticky Fingers』
1971年発売 型番:COC 59100

一般流通盤:落札金額 約5,000~30,000円
見本盤(唯一のMONO盤):落札金額 約22万円~30万円

さらにレアなアセテート盤とテストプレス盤

このような見本盤以外にも、アセテート(またはラッカー、ワックスとも)と呼ばれる盤は、コレクターから人気を博している種類の一つです。アセテート盤はレコーディングスタジオの磁気テープに録音されたマスターテープソースから、ターンテーブルに似た装置を使用して一枚ずつカットを行い、ラッカーでコーティングを施したアルミニウム素材の盤のこと。主な用途としては、音質の確認や、一般流通用レコードのプレスに使用するマスターディスク作成のために用いられます。その表面は柔らかく、摩耗によるノイズが発生しやすく、通常は10回以上の再生は避けられるものの、音質はマスターから直接カットされる為、比較的高品質とされています。

また大量生産を行う前の品質チェックを目的とした「テストプレス」と呼ばれる盤は、レーベル部分が無地のホワイトで手書きのラベルが張り付けられており、こちらもその希少性からコレクターズアイテムとして需要の高い盤の一つと言えます。


以上、見本盤レコードが高い価格で取引される理由についてお届けしました。アルバム名やジャケットが同じでも、バージョン違いにより希少価値が付いている場合もあるレコード。ご自宅で長い間保管していたレコードも、その中にはお値段がつく見本盤やレアレコードがあるかもしれません。もしも売却をご検討されているお品物がございましたら、ぜひ当センターまでお気軽にご相談ください。また当センターではハードオフ各店に訪れてそのレコードコーナーをご紹介する「ハードオフ探訪」も企画として実施中、こちらも併せてご確認ください。

参考URL(ブックオフグループホールディングス株式会社のプレスリリース , BOOKOFFレコード取扱店舗検索 , rarerecords.net ,ヤフオク, eBay落札履歴 )

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