10万円越えも多数…！一部で熱烈な支持を得る「ブラウン管テレビ」の真相

オークションで高額取引されている「ブラウン管テレビ」

近年では大画面、且つ高性能な薄型の液晶テレビが安価で入手することが可能となり、チューナーレスTVやPCモニターを含めると多様な選択肢が広がっているTV/モニターの世界ですが、かつてのメインストリームであり、現在の流行と逆行するかのような十分な設置スペースを必要とする分厚いボディの「ブラウン管テレビ」が、一部のコミュニティで熱烈な支持を持って受け入れられている事はご存じでしょうか。ハードオフではTVの買取に関しては、取り扱い可能な製造年数を設けており、その基準外となるテレビは液晶TVをはじめ、既に製造が終了しているブラウン管TVやプラズマTVなども買取を行っていない状況です。ゲーム機のファミコン本体と一体型となったSHARP製『ファミコンテレビ』などは、買取の対象となる場合がありますが、極めて例外のケースと言えます。

このように現在のリユースショップでは在庫として取り扱いのないブラウン管テレビではありますが、オークションなどに目を向けてみると、当時の小売り希望価格よりも高額なプレミア価格で取引されているケースも珍しくありません。本稿では、新技術にバトンを受け渡したブラウン管が今なぜ一部のコミュニティで熱狂的な人気を得ているのか、その真相に迫ります。

人気の高いメーカーやブランドとは

まず、全てのブラウン管TVが高額で取引されているかと言うと、やはりそうではなく、一部の機能の有無やブランドによってその価値が大きく変動しています。中でもとりわけ人気が高いのは、SONYがかつて展開していたテレビブランド「プロフィール/プロフィール・プロ」や「トリニトロン」で、14型の小型タイプから32型の大型のモデルなど大きさを問わず、10万～40万円程度の金額で取引が行われています。またPCなどに搭載されているRGB端子（D-sub15ピン）を搭載したモデルも需要が高く、高額な傾向にあるようです。

オークションの落札履歴

人気の源流は「レトロゲームコミュニティ」から

それではこれらのブラウン管モニターの需要が高い理由はどこにあるのでしょうか、そのヒントは海外ゲームメディアPC GamerのNoa Smith氏が寄稿した2023年の記事「PCゲーム環境の構築に今CRT（ブラウン管）を検討すべき理由（Why you should consider a CRT for your PC gaming setup this year）」にてブラウン管の魅力が提示されており、その内容をご紹介。日頃よりゲーミングPCを構築して遊ぶPCゲーマーのSmith氏は、ベストなPC環境を構築してもゲーム側の最適過不足に頭を抱えることや、日進月歩のゲーミングPCのカスタマイズにコストを割くことに疑問を感じはじめ、あえてCRTモニターを購入、そのありありとしたブラウン管の魅力に気付かされたことを伝えています。

レトロゲームと相性が抜群！

同氏が提示した利点が「レトロゲームとの相性が非常に良い」という点。その理由としては、ブラウン管の描写方式によって粗いグラフィックのゲームでも程よくきれいに見えることや、映像の遅延が少なく、シューティングゲームや格闘ゲームのプレイに特に適しているとして、現行のリフレッシュレートの高いモニターも追従できない魅力を備えていると伝えています。

Streets of Rage 2 (1992, Sega) – Genesis/Mega Drive

Sharp Pixels vs. Wii Composite via Sony KV-20M42

Am I cheating by using photos I just took in 5 minutes for my Facebook Marketplace listings? Yeah, but we could always use a little more Streets of Rage. pic.twitter.com/o5wn9GGPWV

— CRT Pixels 📺 (@CRTpixels) March 16, 2022

CRTの良さを伝えるXアカウント「CRT Pixels」による投稿。粗いドットがブラウン管の走査線によってより良く見えるのではないでしょうか。

レトロゲーム機とブラウン管の相性は悠久の時を過ごした盟友としてもはや否定しがたい事実とも言えますが、この恩恵はレトロゲームのみならず、現行のハイエンドゲームでも当てはまるそうです。同氏は最適化不足なゲームを例に挙げ、設定で解像度やテクスチャクオリティを落とすことでパフォーマンスを安定化させた場合でも、CRTがその粗さを自然と緩和し、液晶モニターよりも魅力的な映像で遊べたと伝えています。

おわりに

以上、ブラウン管モニターが人気の理由をお伝えしました。近年現行機やPC向けに再リリースされたレトロゲームでは、映像オプションにブラウン管の走査線を再現するモードが搭載されている事もあり、今もロマンや魅力に溢れた存在のブラウン管。前述のように、基本的にはこれらのブラウン管テレビの買取は当センターでは行っていない為、店頭で出会う難易度は高いと言えますが、もしもレアなブラウン管テレビの売却をご検討されている場合はお気軽にご相談ください。

参考リンク：（ Why you should consider a CRT for your PC gaming setup this year | PC Gamer, 主な仕様 | GDM-FW900 | コンピューター／関連商品 | ソニー , CRTpixels(Xアカウント）, ）